ニューワールドホテル大連
総経理 張東氏(zhang dong)
張東氏は15年にわたりニューワールドホテルでの勤務経験を持つ。初めての中国籍総経理として、これから取り組む仕事への理念や未来への展望を伺った。
ニューワールドホテル大連初の中国籍総経理。北京市出身で、アメリカ、ニュージーランドで生活した経験がある。2003年ローズウッドホテルグループに就職後、ニューワールドホテルの立ち上げや管理、運営に携わり続けている。ニューワールドホテル貴陽、ニューワールドホテル廊坊を経て、今年4月ニューワールドホテル大連総経理に就任。
ニューワールドホテルにはどのような特徴がありますか。
ニューワールドホテルは全世界で主にビジネス客をターゲットにしたホテル展開をしており、ビジネス客に向けた良質なサービスや環境を提供している点です。大連で言えば、ビジネス利用の顧客数が4割程度を占めています。
ニューワールドホテル大連はどのような特徴がありますか。
日本人対応に特化したサービスがあることです。深めの浴槽とウォシュレットトイレを設置した日本人向けの客室フロアがございます。これはニューワールドホテルの中でも大連だけに設置されたフロアです。またレストランのビュッフェに日本料理もございます。弊ホテルには日本留学経験を持つ日本市場担当の営業スタッフと日本語が話せるフロントスタッフが在籍します。
仕事で大切にしている考え方はありますか。
ホテルニューワールド大連は開業15年、この比較的に安定した環境の中で良い仕事をするには、チームの力が大切です。ですから私はチームで仕事をし、その中で全てのメンバーが平等であることを大切にしています。人は一人では仕事はできません。チームで協力し、お互いにコミュニケーションを取りながら初めて革新を起こしたり、社会に良い影響を与えたりすることができます。
良いチームを作るために具体的にしていることはありますか。
私の総経理室は常に開放してあり、営業担当からレストランのシェフ、清掃スタッフに至るまで弊ホテルで働く全ての人が入ることができます。そこで面談や打ち合わせをするのではなく、お茶を飲んだりお菓子を食べたりしながらリラックスした状況で仕事における気づきや意見を共有してもらいます。もちろんお客様から直接意見を聴くことは大切ですが、実はスタッフの意見はとても大切です。最前線で仕事をしている仲間からは、私が知り得ない情報を得ることがあります。
宿泊客はどのように良いホテルを選べば良いですか。
人によってホテルに求める条件が違うので一概に言えませんが、私が思う良いホテルは「お客様が自分の家のように感じるホテル」だと思います。
象徴的なエピソードがあります。ホテルのクロークにはゴルフバッグが長期に渡って保管されていました。ある日私がそのゴルフバッグが無くなっているのに気づき、スタッフに聞いたところ、長期滞在の日本人のお客様がアフターコロナで3年ぶりに当ホテルに戻ってこられたのです。3年にわたりずっとスタッフとやりとりを続け、渡航可能になりすぐ大連に戻って、当ホテルに再び入居されました。そしてゴルフをプレーにし出かけられたのです。その方が当ホテルを我が家のように感じ、スタッフを家族のように感じられていることを知りました。このようなお客様を増やすことが我々の仕事だと思います。
ホテルの仕事の魅力とはなんですか。
ホテルの仕事は毎日が挑戦で興味深く、また学びが多い点です。多くの人はホテルの仕事を毎日同じルーティンを繰り返す労働密集型の仕事だと思い込んでいます。実は全くそうではありません。ホテルには毎日さまざまな人が訪れます。それら一人一人の満足できるサービスをいかに提供するかというのは実に挑戦的で面白い仕事だと感じています。毎日異なるお客様、同僚、物事に出会い関わることを楽しんでいます。全てのコミュニケーションの中には学びがあり、それらは仕事に生かされるだけではなく、個人的なライフスタイルにも成長をもたらすことができます。
これまでに困難はありましたか。
やはりコロナ禍は一番の困難でした。しかし全ての物事には悪い面と良い面があり、コロナ禍を通して私たちは非常に多くの学びを得ました。そして現在データから見ると、今年に入って入居率は大きく上昇しています。まさにアフターコロナで3年ぶりに春がやってきました。ただコロナ禍が過ぎたことを喜んでいるだけではなく、学んだことを生かしサービスを向上させていきます。
コロナ禍で学んだのは、まず緊急事態における対応力です。再び疫病の流行などの非常事態が起きたとしても、瞬時に対応することができます。また衛生面やサービス面においても大きく見直し、改善しましたのでより安心してご利用いただける環境になっています。そして今後はあらゆるケースを予想し対応できるように準備しておくことが重要だと感じています。
大連についての印象を教えてください。
当ホテルの同僚を始めとし、人がとても暖かく友好的な街だと感じました。大連の位置から交通の便もよく、気候も良く、冬は寒すぎず、夏は暑すぎずとても住みやすい街だと感じます。海浜都市で船や高速鉄道、飛行機、車など様々な移動手段があり便利で、ビジネス面から見ても先行きは明るい都市です。
大連料理も美味しいです。私は海鮮料理が好きですが、鮮度は内陸で食べるものとは比べ物になりません。そして味付けも素材の味を生かしており、油っこくなく、さっぱりとした味付けですね。当ホテルのビュッフェにも蒸し牡蠣や海鮮など大連特産を用意していますのでぜひ食べてみてください。
日本市場を重視していますか。
もちろんです。私はまだ着任したばかりですが、2019年(コロナ禍前)のデータで日本人客は全体の10%を占め、現在もアフターコロナで大連と日本の航空便の数も戻りつつあります。今後も日本人の皆様にご利用いただけるようサービスを強化していく次第です。
今年の目標はなんですか。
おかげさまで当ホテルは大連市場の中で高い評価を得ておりますが、今年はチームを率いてさらにレベルアップし、お客様に喜んでもらえる、そしてホテルで働く全ての人が仕事を誇りに思えるようなホテルにしていきます。
具体的には、アフターコロナで多くの人が健康を重視するようになった環境下で新しいライフスタイルを提案していきたいと考えています。例えばレストランでは24節気に合わせてメニューを調整しています。そしてホテルロビーに販売場所を設けて、例えば春ならピクニックセットなど四季の変化に合わせて、様々な商品を販売していきます。
また社会貢献活動にも力を入れていきます。社会の支持があって初めてホテルは仕事を続けることができるので、私たちも社会に貢献すべきだからです。3月には「アース・アワー」イベントを実施しました。これは世界中が同じ日・同じ時刻に消灯して、地球温暖化防止と環境保全の意志を示すものです。また4月には老人ホームや特別学校を訪問しました。今後はハンドメイドグッズの販売を通した募金活動なども企画しています。
素晴らしい大連の仲間と共に、新しいニューワールドホテル大連像を描いていきます。どうぞお気軽に足をお運び下さい。