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インタビュー
2025年2月1日

ITで繋ぐ日中の架け橋 柔軟性と技術力が生む新たな可能性

大連亜美時創科技有限公司

(大連アミテック有限会社)総経理 隋 国清氏(Sui GuoQing)

 大学を卒業後、大連で5年間開発業務に携わり、その後2006年に日本へ渡る。千葉県を拠点に東京や大阪でシステム開発業務を経験し、計13年間にわたりシステム設計や品質管理に従事した。2011年に発生した東日本大震災を契機に家族と共に大連へ帰郷。翌2012年、大連アミテックを設立。創業当初はAndroidアプリ開発を主軸とし、その後業務システム開発や人材派遣など、日中両国で幅広いサービスを展開。

どのような会社ですか。

 大連アミテック有限会社(以下、大連アミテック)は、2012年に設立されたシステム開発や製品サービスの販売、人材派遣を主軸とする企業です。本社は中国遼寧省大連市にあり、社員数は約70名です。さらに、日本や上海にも関連会社を持ち、日中間のビジネスを積極的に展開しています。

主な事業内容について教えてください。

 システム開発:日系企業向け、中国国内企業向けの開発案件を手掛けています。また中国、日本向けのIT人材の派遣、紹介事業も行っています。

日本企業向けの事業ではどのような取り組みをしていますか?

 日本企業向けの事業として、オフショア・ニアショア開発、ブリッジSEを活用したプロジェクト管理、ソフトウェア保守やヘルプデスクサービスを提供しています。特に、日本窓口での対応が可能で、企業との円滑なコミュニケーションを支援します。

御社の製品の中で特徴のあるものはなんですか。 

 設計図の変更を簡単に行えるCAD二次開発アプリ、低コストで多種多様な図面形式に対応した図面閲覧アプリ「SView」、業務の電子管理を実現するCRMシステム、そしてサプライチェーンを一括管理するSRMシステムなどが挙げられます。最近では、ブロックチェーンやビッグデータ分析などの先端技術を取り入れた開発に注力しています。

強みは何ですか?

 柔軟性が高い点が最大の強みです。新規開発や既存システムの改善、製品販売とカスタマイズなど、クライアントのニーズに応じた提案が可能です。自社開発フレームワークを活用して高効率の開発を行っており、開発手法や契約形態もお客様に合わせて柔軟に対応しております。また、日系企業との長年の取引実績があり、日本のビジネス文化やニーズへの理解が深い点も特徴です。

日本支社について教えてください。

 日本支社は「株式会社アミテック」として2018年に設立しました。日中間のソフトウェアビジネスにおける架け橋としての役割を担っています。オフショア開発の上流工程やニアショア開発、ソフトウェア保守、ヘルプデスク、インフラ構築・運用など、幅広いサービスを提供しています。日本と大連の両拠点により、迅速な対応力と日本企業のニーズを深く理解したサービス提供を実現しています。特に、ブリッジSEを活用することで、日本語での円滑なコミュニケーションを実現し、品質と効率を両立した開発を行っています。

大切にしていることはありますか。

 私は、企業の垣根を越えて、大連、ひいては中国全体のIT業界の発展に貢献したいと考えています。そのため、社内外の交流の機会を大切にしており、積極的に業界団体に参加しています。現在、大連ソフトウェア協会、大連インターネット協会、大連デジタル貿易協会などの会員として活動しており、2024年4月には大連日本商工会にも加入しました。これらの団体を通じて、業界の発展に貢献し、また新たなビジネスチャンスを広げていきたいと考えています。

社名の意味

 「亜」という漢字には「亜軍=第二位」の意味があります。トップに近い位置からさらに上を目指し、成長を続けるという思いを込めて、社名をこの名前にしました。いつまでも現状に満足することなく成長していきたいと思います。

仕事のやりがい

 これまでITに従事して25年になります。日本にいた頃は、納期前になると毎日終電で帰ったり、徹夜で案件対応をしたりしたこともあります。辛いこともありましたが、ITの力でお客様の要望を形にできる喜びや、その時代の最先端技術を活用できる喜びは、他の仕事では味わえないものだと思います。また、どんな業種にもIT技術が活用されているため、仕事を通じてあらゆる業界や業務を知ることができるのも非常に面白いと感じています。今でもワクワクしながら仕事に取り組むことができています。

日本での経験で現在に影響しているものはありますか

 2005年から2011年まで日本で働き、多くのことを学びました。会社での経験はもちろんですが、日本で挑戦した様々な取り組みが現在に大きく生かされています。当時、iOSやAndroidが革新的なプラットフォームとして登場し、私はその可能性に魅了されました。仕事の傍ら仲間と事業を立ち上げ、中国国内でのAndroidマーケット開拓や、配車サービス、フードデリバリー、宅配便の配送システムといったアプリ開発に挑戦しました。これらは残念ながら成功には至りませんでしたが、それらの経験は現在のIT企業経営の大きな基盤となっています。現在もブロックチェーンをはじめとする最先端技術を取り入れ、常に挑戦する姿勢を持ち続けています。

AIの登場でIT人材は必要なくなりますか?

 AIの登場により、IT開発の効率化や自動化が進むことは確かです。AIがコードの自動生成やテスト工程を担うことで、一部の業務は簡略化されるでしょう。しかし、エンジニアが完全に不要になることはありません。AIが得意とするのはパターン認識や既存データを基にした処理ですが、プロジェクト全体の設計や要件定義、創造的な問題解決、新しい技術の適用には、人間の判断力や創造性が不可欠です。そのため、弊社では人材を大切に考えており、今後もより高度でクリエイティブなIT人材を育成していく方針です。

目標

 私の目標は、最先端のシステムをまだ届いていない場所に届けることです。具体的には、製造業向けのシステムが挙げられます。製造業において、中国と日本では実は多くの企業が同じような問題を抱えています。いくら最先端のIT技術が発展していても、工場の中では古いシステムがそのまま使われていたり、IT導入が進んでいないところが多いのが現状です。これまでの経験を活かし、まだ最適化されていない企業様に高品質なシステムを導入することで、工場の課題を解決し、企業の成長をサポートしたいと考えています。また、専門性をさらに高め、ソリューションコンサルティングを行っていくことを目指しています。

 また、社内の福利厚生を充実させることも私の目標です。企業として成長し、規模を拡大していく中で、将来的には自社ビルを所有し、その中に幼稚園を設立したいと考えています。中国で働きながら子育てをするのは、特に若いエンジニアにとっては大きなチャレンジです。だからこそ、安心して子どもを預けて働ける環境を整え、社員が家庭と仕事を両立できるようサポートしていきたいと思っています。