擎櫻不動産(ケイオウ不動産)
総経理 鄒青林氏(すう・せいりん)氏
擎桜不動産について教えてください。
2019年に立ち上げた若手企業です。日本に8年以上住んだ経験のあるスタッフと、不動産業界に長年携わったスタッフで始動しました。企業理念は「安心・安全・迅速・確実」です。これを念頭に、日系企業の方、日本人の方へ安心し弊社に任せていただけるよう日々お客様と接し対応しております。
主な業務について
日本企業に勤務する方を対象にした住宅仲介業務が主です。入居登録手続き対応の他に、設備故障には24時間対応します。公共料金の支払い代行や家政婦サービス、通訳のサポートも行います。大連市内および開発区内での引っ越しは無料で対応いたします。
住居を選ぶ際のポイントを教えてください。
第一に安全であるかどうかです。現在大連の色々な地域のお部屋をご紹介しておりますが、お客様がご希望の地域であっても、外国人が少ない、または住んだことのないような地域などはまず調査をしてからご案内の可否を決めています。
第二に賃貸の形式などです。お部屋だけの契約、サービスなどが付いたお部屋などオプションがどれくらい可能かなどのご希望条件を決めておくことが重要です。
日本の賃貸と中国の賃貸の違いはありますか。
中国の場合、物件の所有者は企業ではなく個人であることが多いです。そのため賃貸は完全な空き部屋であることはあまりなく、オーナーの好みの家具や家電がついていることがほとんどです。入居契約前に条件を大家との交渉で決めることが出来ます。また、契約時の家賃支払いは3か月以上をまとめて支払うことが一般的です。通常は6ヶ月ないし1年分を支払います。
仲介企業を利用するメリットは何でしょうか。
外国人が安心して住める環境にあるかの判断ができることは現地の事情をよく知る業者に任せるメリットの一つです。また煩雑な手続きやトラブル時の対応を任せることができるのもメリットと言えるでしょう。弊社はネット環境の申込や、住宅に関するトラブルが発生した場合など代理で業者に依頼しますし、大家への交渉なども含めサポート致します。中国の場合は個人オーナーが多いため、信頼関係なども含め仲介を利用するメリットは大いにあります。
日本語を習得した経緯や、日本との関わりについて教えてください。
神戸・大阪で8年間過ごしました。経理の専門学校を卒業後、さらに学ぶため大阪経済大学に入学。大学在学中から卒業後数年間にかけて、不動産業界を含む日本の様々な企業で勤務し、帰国後も中国国内で日本に関わる仕事を続けてきました。
北京オリンピックの開幕式にも携わったCG会社で5年間勤務したのち、BPO業務の会社で営業などを経て、ケイオウ不動産を立ち上げました。日本滞在中、様々な業種を経験し感じた母国と住まいの事情などを経営管理に生かせるよう、心がけています。
日系対応のお仕事を選んだ経緯を教えてください。
日本に留学、就職していたとき、様々な日本人に助けてもらい生活ができました。その感謝の気持ちが忘れられず、中国に戻ってからも日本語スキルを生かし、中国を好きになってもらえるような仕事をしたいという思いから会社を立ち上げました。
仕事をする上で心がけていることを教えてください。
つねにお客様に快適に過ごしていただけることです。それを実現するために、自分にもスタッフにもマナーや日本の習慣などと触れ合い、関わりを持つようにしています。
日系不動産企業が大連から撤退したこともあり、日本人のお客様に慣れない環境で安心して住まい見つけていただけるよう、日々サービスの向上に取り組んでいます。
そのために重要なのは日本語の対応レベルだけではなく、サービスのレベルを高めることです。表面上だけではなく、例えばお客様が助けて欲しい時に手を差し伸べられることが本当のサービスだと考えています。また費用を明瞭にすることも心掛けており、不動産に関する情報など様々な疑問にも実直に対応、不安なことなどがなくなるよう、説明をし対応をするようしています。
中国及び大連の経済環境の変化に対する対応や、今後の発展の展望はありますか。
コロナウイルス収束後には、大連の枠を超えて様々な地域で日本人の方たちの力になれることが目標です。また、関わることのできたお客様に住宅だけでなく、快適に過ごすことができる手助けができる企業になれればと思っております。
感染対策期間中は、省を跨ぎ移動することも控えなければいけない状況でした。大連市内を自由に歩けたり外食などが出来ることを感謝しながら生活はしていますが、まずは収束を願うばかりです。
来年には蘇州に支店を立ち上げ、大連外でもサポートできる体制を作り上げていきます。コロナが落ち着けば、日本にも支店を出す予定です。日本に支店があれば、中国へ渡航する前から物件を探したり、日本本社と直接のやり取りなどもできます。現地に行くまで実態のわからない企業というイメージから、事前に関係を構築し信頼のおける企業となれると思っております。そして大連や蘇州に駐在が決定した場合、渡航前から日本人スタッフが海外へ行くまでのサポート体制を整えていく予定です。