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billibilli
インタビュー
2022年1月4日

物流と日本の商習慣を熟知するメンバーが集まり
一社一社に誠実に向き合い専門的な物流サービスを提供

【プロフィール】

昶徳東来物流(大連)有限公司 総経理
関 国哲(かん・こくてつ)氏

大連出身。大連大学、山梨英和大学卒業(交換留学制度を利用)。名古屋商科大学でMBAを学び、その後流通経済大学物流情報研究科で修士課程修了。卒業後は佐川グローバルロジスティクス入社7年間勤務。帰国後現地物流企業で勤務したのち、2018年、昶德東来物流(大連)有限公司を設立し現在に至る。

 企業について教えてください。

 2018年に昶徳集団と一緒に設立した物流企業です。9割以上のお客様が中国に拠点を持つ日系企業で、海外へ進出する日系企業へ専門的な物流サービスを提供する会社です。15年以上の物流経験を持つ社員が在籍し、主な業務は国際物流、国内物流、コンサルタント業務です。社員は全員日本で留学または就労経験があります。

 取扱業務を教えてください。

 お客様は9割以上が日系企業で、そのうち大連が7割と、他の地域が残りを占めています。中小企業メインで海上輸出輸入、エア便、通関、コンサル、倉庫など総合的な業務を行なっています。取り扱う物品は機械部品関係、アパレル、設備、自動車部品、自動化設備、医療機器、日用品など多岐にわたります。

 中国現地企業が日本企業と仕事をするために必要なことは何ですか。

 日本企業と仕事をするためには、単に日本語ができるだけではなく、日本の文化やマナーを理解している必要があると考えます。そのため、採用条件に日本在住経験の有無を設けています。例えば思いやり、相手の立場に立って考える、仕事のホウレンソウなどです。また日本の企業の要求を理解することができることも重要です。現在弊社はそのようなメンバーが集まって仕事をしています。

 仕事をする上で大切にしていることはありますか。

 全てにおいてシンプルであることです。仕事も、人間関係も、複雑化しないこと。いかに単純にできるかを考えて行動することです。言葉遣いもわかりやすく丁寧に話すように社員にも話しています。
 なぜなら人生は長く見えますが、働ける年齢はたった30~40年間くらいしかありません。この短い時間を、効率よく仕事をして、お金を稼いで、効率よく生きていきたいものです。

 企業の強みはなんですか。

 様々な物流に関する要求に応えることができます。商流の設計、物流の構築、三国間貿易、実務の提案と定着を一手に担います。
 18年の経験をもつ通関士が在籍し、自社で通関対応ができます。また日本の各港に代理店があり、大阪には自社の支店がありますので、door-to-doorのサービスが提供できます。お見積は半日以内に返信など対応が早いこと、企業の要望に柔軟に対応できることも強みです。社員全員が日中の物流を理解し、日本の商習慣がわかるため、通訳を通さずに要望に対応することができます。自社で対応できる範囲が広く、難しい業務を下請け業者を通さずに適正な価格で対応できます。

 日本と中国の輸入業務の違いはありますか。

 中国への輸入は日本への輸出に比べ手続きが複雑です。中古設備、危険品、酒類、食品など複雑な法律があり、加工貿易、修理品、不良品の免税手続きなどについてはやり方がわからない業者も多いのが現状です。私たちはこのような物流の難問を解決するのが得意です。

 日本と関わるきっかけを教えてください。

 祖母と祖父、父が皆日本語が話せて、日本文化に親しみのある家庭で育ちました。いつか日本へ行ってみたいという気持ちがあり、母校の大連大学の交換留学制度を利用し、山梨英和大学へ進学したのが初めての訪日でした。
 大学受験は大連外国語大学を希望していたのですが、受験直前に病気になり、試験は受けられたものの当日100パーセントの力を発揮することができませんでした。その結果志望校には行けなかったのですが、大連大学で日本の大学と中国の大学、両方の卒業資格が取得できる留学制度を利用できました。結果として大連外国語大学の同級生よりも早く日本に留学に行くことができました。日本とご縁があったのかもしれません。

 なぜ物流の道に進もうと思ったのですか。

 ひとつ自分の専門を決めようと考え、選んだのが物流でした。大学卒業後は、MBA取得のため名古屋商科大学へ進学しました。ところが実際にMBAを学んでみて、ジャンルが非常に広かったので、自分は浅く広くではなく、何か1つの分野を極めたいと考えました。そこで目をつけたのが、マーケティングとロジスティックです。この2つを比べた時に、前者はすでに多くの人が専門としている一方で後者はまだプロが少ない上、成長の見込みがありそうだと考えました。
 物流を専門で学ぶにあたり、物流に関する修士課程があることを知り流通経済大学物流情報研究科へ進学しました。卒業後は佐川グローバルロジスティックス株式会社(以下、佐川)に入社し、7年間勤務しました。

 これまでの仕事経験について教えてください。

 会社を立ち上げる前に日本で7年間、中国で9年間物流業務に従事しました。
 佐川で7年間経験したことは、自分にとって非常に大きな財産になりました。まだ外国人社員が少なかった入社当時は、倉庫の現場、国際宅配便、通関、船便、エア便、営業、ソリューションチームなどあらゆる部署での業務を経験しました。上海物流センターの立ち上げにも関わったこと、またソリューションチームで様々な社内の現場に赴きデータ分析、ワークサンプリングを行い改善案を提案したことなども学びが多かったです。物流に関する業務を一通り経験することができ、それが今の仕事にも生きていると実感しています。

 これからの目標を教えてください。

 会社創立時から同様に、一件一件目の前の仕事に真剣に取り組み、お互い助け合う精神を大切に細く長くお客様と付き合っていくことです。
 地道な仕事も続けていれば必ず報われるものです。創立当初は大変でしたが、信頼を裏切らず、適切な値段でサービスを提供することで少しずつ顧客が増えてきました。この数年ではほとんどが口コミ、顧客からの紹介で顧客が増えました。またコロナ禍後製造企業は大変なので、我々も一層親身になるよう心がけています。コロナ後にお客様と共に成長していきたいと思います。

東来物流への応援メッセージ

株式会社ダイドウトランスプラネット

今年設立73年目、東京港、横浜港を中心とした国際物流会社。倉庫、通関、輸送・配送、フォワーディングすべて自社アセットで一貫サービスを提供。海上コンテナ輸送に特化し自社輌60台保有。

奈良橋部長より

昶徳東来物流(大連)有限公司の関社長は非常に頼れるパートナーです。 日中両方の文化、商習慣に精通しており難しい複雑な日中間の物流業務もストレスなく進める事が出来ています。これからも2社で協力しながらお客様にご満足いただけるサービスをご提供していきましょう!

日本静岡製機株式会社

1914年設立、100年以上の歴史を持ち、農機関連設備を生産する。大連静岡制机有限公司は1996年設立,農業用乾燥機、お米鑑定に使われる水分計と食味計を生産する企業。製品は中国お米コンテストに指定設備として使われている。

鈴木総経理より

関国哲氏は日本留学卒業後佐川国際物流に入社、日本の会社の仕事方法を会得し帰国、地元大連に戻り、大連において日本的サービスを体現するだけではなく、どのような困難な問題にも答えを出し続けている大変頼りになる類稀な人物です。弊社のどのような難しい物流問題でも解決してくれてとても助かっています。